「風化せぬよう子供に伝えたい」=祖母なくした遺族代表の下浦さん−阪神大震災(時事通信)
阪神大震災犠牲者追悼の集いで遺族代表として言葉を述べた下浦裕美さん(49)は、震災で祖母杉元きみのさん=当時(85)=を亡くした。「普段震災のことは忘れがちだが、風化してしまわぬように子供たちに伝えたい」。災害で学んだ思いやりや命を大切にする気持ちを、次世代に伝えたいと思っている。
小学3年生ごろまで一緒に暮らし、その後もよく「おばあちゃん」の家に泊まりに行った。「人に何かする時は見返りを求めてはいけない」。杉元さんの口癖は、今も心に刻まれている。一緒に風呂に入るなどよく面倒を見てくれ、亡くなるまで悩みの相談にも乗ってくれた。
15年前のあの日。神戸市灘区の下浦さん宅は全壊。近くの避難所に逃げた。同区内の杉元さん宅も1階がつぶれ、杉元さんは下敷きになった。
翌日、父の「亡くなったみたいや」という言葉で、おばあちゃんの死を知った。4日ほど後、やっとがれきの中から遺体を運び出すことができた。
数カ月、思い出すたび涙があふれる日が続いた。しかし、大好きだったおばあちゃんの死で、命の大切さを実感した。「当たり前のようなことでも感謝の気持ちを持たなければいけない」と気付いた。
追悼の集いには、震災後に生まれた小学3年の次男(9)と訪れた。「震災が教えてくれた生命の大切さを忘れずに生きていきたい」と話した。
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翌日、父の「亡くなったみたいや」という言葉で、おばあちゃんの死を知った。4日ほど後、やっとがれきの中から遺体を運び出すことができた。
数カ月、思い出すたび涙があふれる日が続いた。しかし、大好きだったおばあちゃんの死で、命の大切さを実感した。「当たり前のようなことでも感謝の気持ちを持たなければいけない」と気付いた。
追悼の集いには、震災後に生まれた小学3年の次男(9)と訪れた。「震災が教えてくれた生命の大切さを忘れずに生きていきたい」と話した。
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